数ヶ月ほど前の住宅ローン審査の体験談を書きます。
管理物件オーナーからのご紹介で昨年、市内の分譲マンションの売主様の案件を売却する運びとなり査定書を提案後、価格に納得頂き3,000万で販売活動を行うこととなった。
オープンハウスを土曜、日曜で開催し、来場5組で即、購入希望者が
2名現れ、最初の希望者と契約する運びとなった。
買主は看護師で27歳 年収は470万円 大阪の地方銀行で借り入れ申し込みを行うこととなった。まずは、借入限度額もクリアーし、個人信用調査での
クレジット、延滞履歴等も問題なく3日で事前の審査は難なくクリアーした。
順当に決済まで行くかとおもえたこの契約。
実は、ここからが長かった。
実は買主は1年6ケ月前に不整脈を治すために心臓カテーテルアブレーション手術を受けていたことがわかる。
団体信用生命保険はオプションのついた三大疾病つき(がん保障特約、急性心筋梗塞、脳卒中保障特約)で申し込んだ。
これは身内の方の希望によって借入金利を0.2%上乗せすることで3大疾病に対応できるこれを選択した。
告知事項にはどこの団信でも過去3年以内の病気について書かないといけない。さらに病歴の処置内容、症状経過、入院の有無及び期間も必ず記入しなければならない。
正しい告知をしなかった場合は告知義務違反となって保険金が支払われない。
不整脈の種類には 1.心室性か心房性期外収縮
2.発作性上室性頻脈症 3. 発作性心房細動 4. 心室頻脈 とがあり買主様は
心房性期外収縮の病状で手術を行っていた。この不整脈はネット等で医師の
記述を見ると 「最も多い不整脈、ほとんどの場合生命の危険性はない。
正常洞調律よりも短い間隔で早期に収縮する心拍で脈が余分に打ったり、1泊抜けるように感じるとのこと。放置することも多い種類の不整脈」
3年以上前なら告知義務もないが1年半前では当然、告知しなければならない訳で 詳細欄に入院日数、症状経過、通院歴などすべて記載して団信に申し込みをした。
数日後、結果は否認。
銀行の担当者もこういうケースは経験したことがなくローンセンターの行員に聞いても他の支店に聞いても分からないとのことでした。
次にワイド団信を銀行担当者から勧められそれに申し込むも再度、否認される。
インターネットの相談をみても民間住宅ローン(都銀、地銀等フラット以外)これに該当するような事例の投稿がほとんどない。
次に申し込んだのはフラット35を扱うSBI住宅ローンに持ち込んでみた。
フラット35は団信加入が任意加入の為、こういうケースの場合に入らなくても
借入することは出来る。
但し、地銀と比べて変動金利の1%以下の金利から固定金利となって2%台の借入金利となるため金利負担は上がることになる。
そのほか融資金額の2%を事務手数料としてローン会社に支払わないいけない為このケースではほぼ60万が別途費用としてかかることになる。
職業が看護師の為、内容的には問題なかったが、融資金額が買主希望額であった満額は下りずに限定承認で88%しか出ないとの回答があり、買主より検討の時間をもらいたいと連絡があった。
予定外の頭金に加えて事務手数料60万が用意しなければならなったが家族の応援も取り付けたようでこれで進める方向で進みかけたが買主はもう一つ
納得してない様子であった。
当初のローンの承認期日は間に合わなっくなったため、売り主、買主との間で
ローン特約の承認期日の延長の覚書を交わす。
そのころ、再度地銀担当者から連絡があって 「もう一度ノーマルの地銀協の団信を使ってダメもとでやってみませんか」といわれる。
この保険会社はM生命保険であった。
再度、一切オプションのない(ガン保証等無)団信に申し込む。
告知事項には以前よりも詳細を記入した。
どのように書いたかといえば 手術する必要はないが若いうちにおこなったほうがよいという医師の勧めにより手術を受けた。現在は完治している。
手術を受けた日、その時に入院した日数(このときは2日)通院した日とその回数。心拍数までは記入しなかった。
本人は看護師であったためその時の記録をメモして持っていた為詳細の報告が出来た。
不整脈で手術をうけたが現在は完治している。
不整脈の種類の中でも最も軽い種類で将来の為、医師の勧めでうけたこと。
これらを明確に伝わるように正直に全て記入してから申し込んだ。
10日後、生命保険会社から回答が来た。
宿題付きの回答。否認ではないが再提出の資料を求められる。
※病院専用の診断書でご提出ください。
診断名、初診日、原因、基礎疾患の有無、合併症の有無、病状経過(発作の頻度、最終発作年月含む)治療内容、(薬剤、用量含む)検査結果及び所見(心電図、心機能、血圧、検尿含む)転帰に関する診断書をご提出ください。
上記に以下の項目を追加ください。
「手術内容」 「根治度」 「術後の経過」「完治の場合、終診年月日」 以上であった。
その回答を受けて買主は手術を行った病院の医師を尋ねて診断書をもらってきた。
しかしその診断書は上記のすべてを満たす内容ではなかったが ”医師の
根治しているものと考えられる。”というお墨付きのある診断書であったため
銀行担当者と協議の上、一旦これで行きましょうかとなって保険会社に提出をした。
それから10日程度たったころ、銀行担当者から 「 団信通りました!!」と連絡が来た。
ようやく団信がクリアーできて喜びもひとしおであった。
その後は、本審査も難なくクリアーして希望通りの満額 購入金額同額の融資を受けられることとなった。
こういうケースの場合はオプションのついた団信は難しいということがよくわかった。当初の保険会社は外資系の保険会社であった。宿題の回答もなく
そのままただ否認の回答のみでした。
ワイド団信も外資系同保険会社であった。
この案件について知り合いの大手不動産会社にも聞いてみたが誰も経験がないとのことでわからないようであった。
今回はレアなケースを体験出来て住宅ローンの団体信用生命保険について
知識の幅が広がったように思える。
もう一回経験する可能性は限りなく低いと思うが。